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【ピアノの種類と説明】奥が深すぎる!ピアノの世界を覗き見しよう

ピアノの名前の由来

ピアノは1700年頃、イタリアのバルトロメオ・クリストフォリによって発明された鍵盤楽器です。
それまであった鍵盤楽器であるチェンバロなどは音のボリュームに変化をつけられなかったのに対し、この楽器は、イタリア語の音楽用語であるピアノp=ソフトで小さい音と、フォルテf=大きく力強い音、をコントロールできることから、「ピアノフォルテ」と名付けられました。そののち、略して呼ばれるようになった呼称が「ピアノ」です。

鍵盤楽器の中でのピアノの位置づけ

鍵盤楽器とは、鍵盤を操作して演奏する楽器のグループをまとめて指したものです。
一番最初の鍵盤楽器と呼ばれるのは、紀元前3世紀ごろの水オルガン(ヒュドラウリス)です。その後、ヨーロッパでオルガンが発展し、11世紀ごろにはオルガンが確立しました。また、その後、チェンバロが登場し、バロック時代(1600~1750年)には宮廷の華やかな演奏に用いられるようになりました。
チェンバロ(Cembalo、ドイツ語)はハープシコード(Harpsichord、英語)、クラヴサン(Clavecin、フランス語)、 クラヴィチェンバロ(Clavicembaloイタリア語)とも呼ばれ、通常のドレミファソラシドを弾く鍵盤が黒、フラットやシャープを弾く鍵盤が白、というのが特徴です。
このチェンバロに代わって登場し、急速に発展、大人気となったのがピアノです。

チェンバロは、爪で弾くことで弦を振動させるため、「撥弦楽器(はつげんがっき)」と言われるのに対し、ピアノは「打弦楽器」とも言われ、ハンマーで弦を叩いて弦を振動させます。
また、チェンバロがたくさんの倍音(周波数が倍の複数の音)を含むのに対し、ピアノはこの倍音を少なくすることによって純粋な音をきれいに出すようにした楽器です。

なお、チェンバロとピアノの鍵盤の色が白黒逆転したのには諸説あります。
貴族の女性たちの手が白く美しく見えるようにチェンバロの時代は普通のドレミファソが黒鍵だった、白鍵は象牙なので高価だったため、チェンバロは鍵盤数が少ないほうを白鍵としていたと言われます。それに対し、やはり、白を主体とした方が見た目が明るく良いということや、シャープやフラットの鍵盤を黒くしたほうが見た目のバランスが良い、ということからピアノの時代になると白黒逆転した、という説が有力です。

グランドピアノとアップライトピアノの違い

ピアノの種類は、その構造の違いによって大きく、グランドピアノとアップライトピアノの2種類に分けられます。
グランドピアノは、コンサートホールや学校の音楽室に置いてあることが多い大型の楽器、アップライトピアノは、家庭で使われることの多く省スペースで置くことのできる楽器です。

両者ともに、鍵盤からつながったハンマーが弦を打つことによって音が鳴る、という構造ですが、その違いは、鍵盤、ハンマー、弦の位置関係にあります。
グランドピアノの場合、ハンマーの下に弦が位置し、ハンマーは重力に従って自然な動きで下に落ちるのに対し、アップライトピアノの場合、ハンマーと弦は垂直に並び、バネの力も借りて前後に動かします。
また、音量や音色を操作する際に使うペダルの構造も両者で異なります。
グランドピアノのソフトペダル場合、鍵盤を全体に右に移動させることにより、ハンマーがたたく弦の本数を3本から2本にするのに対し、アップライトピアノのソフトペダルの場合、ハンマーを弦の近い位置で打たせるようにすることで音量を弱める、という点が異なります。

グランドピアノ

グランドピアノはその大きさから初心者や一般家庭からは敬遠されがちです。しかし、構造上、打弦のエネルギーが大きく、また、素早い連打やトリル、繊細な音の調整も可能であるため、プロや音大生が弾くピアノ、コンサートホールに置かれるピアノはグランドピアノであることが殆どです。また、アマチュアでも上級者になるにつれて表現の幅を広げるため、出来ることならグランドピアノで練習したほうが良くなってきます。

同じグランドピアノでもその大きさにはいろいろなものがあります。
一般的には、ベビーグランドピアノ、サロングランドピアノ、セミコンサートピアノ、コンサートグランドピアノ、等と分類され、ベビーグランドピアノで全長140cmぐらいからあり、また、コンサートグランドピアノでは最大308cmほどの大きさとなります。
一般的にはサイズが大きいほど豊かに音が響くと言われ、コンサートグランドピアノは非常に大きな音量が出ることから大きなホールでオーケストラと演じる場合でも十分に音を主張することが可能です。ただし、弦の張力や素材の限界もあり、典型的なコンサートグランドピアノは270cm~285cmほどです。

グランドピアノの代表的なメーカーは、日本のヤマハ、カワイ、がある他、もっと予算をかけられる場合には海外メーカーのスタインウェイ&サンズ(アメリカ)、ベヒシュタイン(ドイツ)、プレイエル(フランス)、ベーゼンドルファー(オーストリア)、ブリュートナー(ドイツ)、ザウター(ドイツ)、ファツィオリ(イタリア)などが挙げられます。なお、ボストンピアノはスタンウェイのセカンドブランドで制作は河合楽器が行っています。グランドピアノは安いもので100万円、高いものでは2,000万円を超えます。

グランドピアノの良さは何と言ってもその音の響きにあります。
弦が長いため、音の深みがあり、重低音の響きも得られます。また、響板からの反射音を直接耳で聴きながら演奏できることも演奏上・練習上有利な点です。
足で操作するペダルについては、先ほど紹介したソフトペダルの他、ソステヌートペダルとラウドペダル(ダンパー)があります。ラウドペダル(ダンパー)は踏んだ瞬間にダンパーが一斉に弦から離れるというものでアップライトピアノと同じなのに対し、ソステヌートペダルは一つの音や和音を響き続けさせつつ、他の音をその上にかぶせて弾くことができます。曲によってはこのソステヌートを使う指示がある楽譜もあり、アップライトピアノにはソステヌートペダルが無い為、厳密にはアップライトピアノではその曲は弾くことができないことになります。

アップライトピアノ

アップライトピアノは、1800年代前半に考案されたもので、当初からその設置面積の小ささが人気となり、ヨーロッパやアメリカに瞬く間に広まりました。
横幅140-155cm、奥行き50-60cm、高さ110-130cmほどの大きさです。
アップライトピアノは家庭で置きやすく人気がありますが、一方で構造上の限界もあります。例えば、鍵盤は下に打ちますが、その動きからハンマーの前後の動きに変換する必要があるため、力・時間ともにロスが発生し、素早い連打には限界があります。また、グランドピアノと比較すると音の表現を調整しにくく、通常壁につけて設置するため音がこもりがちとなります。
このように、グランドピアノと比較すると表現の限界があるアップライトピアノではありますが、アコースティック楽器としての良さや魅力が十分にあり、一般家庭の他、生演奏を行うお店などでアップライトピアノを見かけることもよくあります。

アップライトピアノもグランドピアノと同様、背の高さにより弦の長さや響板の大きさが違ってきます。これにより音のボリュームや深みにも差が出ます。また、ハンマーフェルトやミュージックワイヤーの材質などによっても音響や音質などが変わってきます。

なお、縦型のピアノでも通常のアップライトピアノとは多少構造が異なるピアノがあります。例えば、スピネットピアノの場合、鍵盤の動きをハンマーや弦に伝えるアクションが鍵盤よりも下までおりています。また、コンソールピアノの場合、このアクションが鍵盤に直に載っています。
いずれも見た目はコンパクトです。スピネットピアノは現在殆ど生産されておらず、コンソールピアノは家具としてのデザイン性を重視した形で現在も各社が生産しています。

アップライトピアノの代表的なメーカーおよびブランドは、ヤマハ、カワイ、の他、日本のメーカーでは、東洋ピアノ製造株式会社のアポロ、フリッツクーラー、エスピー楽器のシュベスター、大橋ピアノのOHHASHIなどがあります。また、外国製では、チェコのペトロフやスタインウェイ&サンズのアップライトピアノなどがあります。

アップライトピアノは通常、30万円ぐらいから150万円ほどです。

デザインピアノについて

ピアノが登場する前に人気だったチェンバロは貴族のための楽器であり、豪奢な宮殿や教会で弾かれたため、装飾も華麗なものでした。
その後、ピアノが登場した時代は、農業革命や産業革命なども起こり、中産階級が台頭した時期とも重なったため、コストを抑えるためにもシンプルな形状が主流となりました。
今でも、家具と調和するデザインやアート作品的なデザインのピアノが欲しいという人もおり、各社は様々な趣向を凝らしています。
例えば、スタインウェイ&サンズでは、Limited Editionとして単純な黒や茶色ではない美しいグランドピアノを販売しています。“Pictures at an Exhibition”(展覧会の絵)と題するピアノは、白地をベースに金色の額縁に入った美術館の絵のイラストをピアノの側面の全面に描き、ピアノの脚は鳩時計、ピアノの椅子はお城の門のような形、楽譜立ては金色のすかし模様とするなど、かなり奇抜で豪華なデザインです。

電子ピアノについて

昨今、マンションや賃貸アパートに住む場合、管理ルール上や近所の方への気遣いから、グランドピアノであろうとアップライトピアノであろうとアコースティックのピアノを置くことはできない、という家庭も増えています。そのような中、電子ピアノを選択肢として検討される方もいます。
電子ピアノの場合、鍵盤を押すとデジタル回路により内蔵されているスピーカーから音が出ます。
極力アコースティックピアノに近づけようと、鍵盤を打った時の感覚や、ペダルによる表現、音の響きについて研究が重ねられ、かつてに比べると格段に使い心地や音が良くなっています。
また、購入しやすい価格である点も魅力となります。

電子ピアノの有名なメーカーとしては、ヤマハ、カシオ、ローランド、カワイ、などが挙げられます。

ただし、細やかなタッチの差とそれが演奏にどう影響するのかという部分や、演奏者にとっての音の聞こえ方がアコースティックのアップライトピアノやグランドピアノそのものとは異なります。
電子音楽やロック、ポップス等のキーボードとしては電子ピアノで十分ですが、クラシック音楽で中級・上級を目指す場合には限界が出てきそうです。

サイレントピアノ(消音機能付ピアノ)について

昨今のニーズにこたえ、サイレントピアノと呼ばれるピアノや消音ユニットを出しているメーカーもあります。
アコースティックのピアノがベースとしてありつつ、消音ユニットをONとすると、アクション部分に取り付けられた消音バーが、弦を打つ直前でハンマーを止めることにより生のピアノの音を消す、といった機能がつくことになります。
タッチは殆ど変わらず、消音時にはヘッドホンから音が聞こえることになります。
アップライトピアノに取り付けるもので定価10万円程度、グランドピアノに取り付けるもので定価35万円程度から販売されています。

ピアノを構成するパーツ

鍵盤

ピアノの鍵盤の数は88あります。一番低いのは「ラ」で、一番高いのは「ド」の音です。
クリストフォリが最初に作ったピアノの鍵盤の数は54でしたが、その後、61、68、73、と増え、1890年代にはこの88鍵が確立しました。
人間の耳が聞き取れる周波数は20~2万ヘルツであり、一番下の「ラ」は27ヘルツ、一番上の「ド」は4200ヘルツです。
低音域にさらに9鍵を加えた97鍵のピアノもありますが、実際にはあまり弾かれることはありません。

弦は高い音ほど短く、低い音ほど長く張られています。また、弦の太さも音の高さによって異なり、低音部には太いもの、高音部には細いものが使われています。
1つの音に対し、高音部は3本の弦が張られていますが、低音になると、2本、1本、と少なくなります。
現代のピアノは弦が切れることは殆どありませんが、プロのピアニストとなると、曲目によったり練習量の多さから、弦が切れてしまうケースも時折発生します。
なお、現代音楽の奏法としては、ピアノの弦を直接指ではじいたり、消しゴムを置くなどの奏法も存在します。

ハンマーとアクション

鍵盤を打ったときにその力をハンマーに伝えるのがアクションです。
ハンマーヘッドは羊毛を圧縮したフェルトで作られています。
これはたくさん演奏や練習すると変形してしまい、音色に影響するため、調律の際に調整が必要となります。

響板

響板とは、弦の振動を豊かに響かせるためのもので、丈夫で軽く、振動を良く伝えるマツ材などで作られています。

蓋・屋根

グランドピアノの場合、大きな蓋を一部開け、約45度に固定すると、音の響きが良く、また、音の方向性が定まります。コンサートにおいてはこの方式を取ります。
アップライトピアノにも上部に蓋がありますが、これを開けることによる効果はあまりなく、むしろ埃が入るため、通常は開けることはありません。

ペダル

グランドピアノにおいては20世紀以前、2本のペダルのメーカーも存在しましたが、現在は3本のペダルが一般的です。前述の通り、グランドピアノとアップライトピアノとではペダルの役割がかなり異なります。
アップライトピアノのペダルには、弦とハンマーの間にフェルトを挟んで音を弱くすることのできるマフラーペダルがあり、まずは指だけ練習したいなどの夜間の演奏には便利です。グランドピアノにはこのペダルはありません。

ピアノの椅子について

ピアノを弾く際に案外重要となってくるのが椅子です。
特に椅子の高さは演奏の姿勢に影響を与え、高すぎても低すぎても良い音が出せません。
鍵盤に手を置いたときにひじの高さが水平か少し上ぐらいになるように高さを調節します。
ピアノ椅子は通常高さの調節が可能なので、差は、背もたれがあるか無いか、クッション性が高いか、などです。
演奏中に背もたれによりかかることは無いので背もたれはあえて必要はありませんが、背もたれつきのいわゆるピアノ椅子は高さが簡単に変えられ、ピアノ教室や学校などでもよく使われています。
背もたれがついていないベンチタイプは側面にある丸いハンドルを何回もまわして高さを調節することにはなりますが、クッション性があり、長時間練習しても疲れません。

ピアノカバーについて

学校のグランドピアノやアップライトピアノには黒いナイロン製、中が赤いフェルトのカバーがかかっているのをよく見かけます。
家のピアノにもカバーをかけたほうが良いのではないか、と迷うところです。
確かに、埃や日焼けを避けるためにはカバーは有用ですが、他方、通気をさえぎってしまうデメリットもあります。ピアノカバーは必ずしもかける必要は無く、もし、埃や日焼けを防止するためにかける場合は、薄手のものをお勧めします。

その他にあると良い道具

ピアノの上達のためには、ピアノ本体・椅子の他にもあった方が良い道具があります。
例えば、まだ背の高くない子供には、足台・ピアノ補助ペダルの設置がおすすめです。
また、リズムの正確さやある程度最初の段階の練習には、リズムを正しく刻むメトロノームが便利です。かつては、アナログの振り子のメトロノームばかりでしたが、昨今はデジタルのものも多数ある他、スマートフォンのアプリでも探すことができます。

調律について

グランドピアノであろうとアップライトピアノであろうとアコースティックのピアノであれば、時が経つとともに、また、たくさん弾くほどに、弦の張り具合やハンマーの具合が変わってしまうため、定期的に調律が必要となります。
ピアノの各音の3つの弦(低音域は2本や1本など)それぞれを調整する必要があります。
日本にはピアノ調律技能士という国家資格の検定資源があり、この試験では、ピアノ全般に関する知識や、調律、整調、修理に関する技能や実務能力が問われます。ただし、この資格を保有しない人でもピアノの調律や修理は可能です。
ピアノの初心者やアマチュアが良い調律士を探したり判断したりするのは難しいため、最初はレッスンの先生などに紹介してもらうと良いでしょう。