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音大のレベルは並大抵じゃない!?入りたければそれなりの覚悟と努力、才能が必要。

音大(音楽大学)にも、様々なレベルの大学があります。
国内の国公立の大学で音楽を学びたいと思ったら、東京藝術大学、愛知県立芸術大学、京都市立芸術大学、沖縄県立芸術大学などで学ぶことができますし、また各私大(関東圏では、桐朋学園、武蔵野、国立(くにたち)、上野学園、東京音大など)が各地に存在しています。

一般的に先に挙げた、国公立の音大はそれなりのレベルがある/必要と言われますし、
ある程度名前の通った学校では、トップの学生のレベルには大差はないとも言われますが、
「この専攻(楽器)はここ大学のレベルが高いね」と言われることもあります。また、時に、学校によって、音楽のつくり方の傾向・特色を感じることがあることも、面白いことだと思います。時代によっても変動がある部分もあるかもしれません。

筆者である私は私立音高・私立音大(都内)を卒業しており、指導した生徒のなかには、専門の道へ進んだ者もおりますが、

1、音大入学時点での、専門科目のスタートラインの違い
2、音楽の道へすすむ人の進学先の選びかた―行く人はレベルをどのように考えるか
3、学校による差異―どのレベルを見据えているのか
4、音楽大学のお勉強について― どの程度の学力レベルを求めるかは学校それぞれ
5、コンクールのレベルを知る― コンクールには様々な特色や背景がある
6、「大学を卒業され活躍なさっている方が、どのくらいのレベルなのか」という観点から音大のレベルを知りたいのなら…
7、どの音大にいこうかと考えている方へ・どの音大がどのくらいのレベルなのかということを知りたい方へのひとつの視点
8、留意点

と順を追って、筆者の思うところ・感じるところをお話いたします。

1、音大入学時点での、専門科目のスタートラインの違い

授業の多くは、専門科目で構成されますが、専攻別・レベル別になっています。
それらの多くは、幼少期からの訓練の延長に成り立っています。
芸事でありますので、楽器によって(特にピアノやバイオリン、ソルフェージュ・作曲技能等)は、入学前にどのような指導をうけてきたかによって、大きく変わる分野です。
入学試験の専門科目としては、共通するものとしては、初見試奏や初見視唱、聴音(単旋律・二声聴音・四声体)、楽典(音楽の基本の決まり事)等、学校や科目によっては音楽史や和声の課題が課せられることもあります。実際に幼少期よりそのような教育の機会に恵まれた学生も多くいる一方で、ある程度の年齢になってから、はじめたという学生もいます。
付け焼刃(1年以内)で準備ができることは、例外を除いて、能力が育っていないことが多いので、稀なことではありますが、逆に言うと、質のよい教育を受けていたりした場合には、特段な準備をすることなく、合格基準に達している場合もあります。

また、音大は将来性を見込んでくださり入学できる場合もあり、進学(入学)してから、対応してくれる学校もある程度はありますが、

同じ学年の「音楽をする仲間」と言っても、
時には、幼少期より、一流の環境の中で育ち、よい先生に師事し、みっちりと実力を備え、世界に出て活躍しているような者と一緒に学ぶこともあります。

上記のことからも、入学する時点で、かなり差がついていることが伺えるかと思います。
(演奏技術や、ソルフェージュ能力、知識や音楽経験値の差がものすごくあります)

2、音楽の道へすすむ人の進学先の選びかた― 行く人はレベルをどのように考えるか

一般的に、音高・音大は、「どの先生に師事したいのか」ということで、進学先(留学含む)を選びます。(国公立を目指す場合は、その限りではないかもしれません)
ですので、どこの大学を卒業したか、というよりは、どの先生に師事をし、どのような勉強をつみ重ね、身につけてきたのか(どのような系譜の上にいるのか)、ということが重要視されていく傾向にあります。

また、入学前より、進学希望先の先生との繋がりがある場合/つくる場合も大変多く、(師弟関係から発生する繋がりや、各大学講習会などを通じて出会われる場合もあります)学校名だけで入学先を決めることよりも、先生との出会いが大きいように感じます。
コンクールなどをきっかけに、先生との関係性が生まれることもあります。
ですので、大学名で選ぶというよりは、信頼できる先生との出会い(生涯の師となることも多いです)、なにを学び掴みとれるのか、どのような先生について、自身の音楽を向上させていくかということで選ぶことが、本当に大きなひとつの基準となります。
ですので、どの先生にご指導いただけるかということが、レベルのひとつの判断にもなるかと思います。(複数の大学を、兼任なさっている先生方も多くいらっしゃいます)

また、幼少期より訓練をつみ重ねていると、先生のほうから、ご縁やお話を頂いたりすることが多い世界であると感じます。

3、学校による差異―どのレベルを見据えているのか

学校によって、学生たちの見据えている景色やモチベーションに非常に大きな差があると感じています。演奏家を多く目指す学生の多い学校や、学科、将来は教育関係に進む者が多い大学や学科など、様々であります。大学によって、コンクール参加への力の入れ具合も様々です。また、試験曲目や普段弾かせる曲などでも、古典的なものやアカデミックなものを中心に学ばせる大学や、そうではない近現代の作品ものもどんどん弾かせる大学等、様々な大学があります。

同じ大学内でもレベルに格差がかなりある場合もあるため、大学名だけで、その方のレベルを判断することはむつかしい(同大学内であっても、演奏家として高く活躍するレベルを目指す学生から、すこし弾ける程度でも入学できてしまう場合もある)という実情はあるようです。このことからも、大学名だけでレベルを図ることはむつかしいと言えます。

4、コンクールのレベルを知る― コンクールには様々な特色や背景がある

そこで、その学校のレベルを知るにあたり、ひとつ「コンクールへの入賞歴」という物差しを考えてみましょう。

実は、コンクール自体も、コンクールごとの特色もあり、レベルが本当に様々であります。
全体のプログラムを演奏する演奏家としての力を見据えたコンクールではない場合もあります。コンクールのレベルは、ファイナルステージや入賞者コンクールを見聞きすると、おおよその傾向やレベルがわかるかと思います。
また、審査なさる先生や団体が音楽そのものをどう捉えるか、ということも非常に大きなことであると感じます。ひとつの目安にはなりますが、必ずではないことは、常に頭の片隅に置いておきたいものですね。

また、実際は、先に挙げたような音楽大学でも、学校側の考えで、コンクールを積極的に推奨している学校とそうでない学校があるようです。先生によってもお考えは様々です。
どのような先生と出逢い、師事できるかが非常に大きな影響を与えるかがこのことからも推察できるかと思います。

そして、コンクール入賞者等から名前のよくきかれる学校がある一方、
コンクールで評価されていく/されやすい演奏というものも存在しています。

そのような状況の中、レベルを判断する際に考えたいことと致しましては、
一概には申し上げにくいことですが、
国内で有名なところですと、日本音楽コンクール(通称:毎コン)
などは実力が必要であることがいわれます。また、国内では、仙台国際音楽コンクールや、ピアノでは浜松国際ピアノコンクールなどで入賞された方がその後ご活躍なさる様子もみられます。

また、優秀な方ですと、若いうちから国外に頻繁に出ていき、コンクールで入賞されたり、コンチェルトの協演などの経験がある場合もあります。(一概には本当に言い切れないのですが…)本当に多数のコンクールが存在します。目的も様々です。
(余談ながら、コンチェルトをどのくらい学んだことがあるかというのもひとつ指標になるかもしれませんね。)

5、音楽大学のお勉強について― どの程度の学力レベルなのかを重要視される度合いは学校それぞれ

国公立の音大では私立音大と比較して、学校のお勉強もできることが求められること(大学の入学に音楽以外の科目の学力を求められる)が多いように思いますが、
やはり、世に出て活躍される方は、どちらの学校であっても、お勉強もできる方が多いように思います。私大のほうが大学生時点での学力のばらつきは多いです。
大学名は控えますが、演奏で優秀とされる学校に入学された方であっても、英語などbe動詞があやふやな場合もありますし、だからといって、世の中で活躍ができないわけではないです。ただ、やはり、できる人はできる、という印象です。

6、「大学を卒業され活躍なさっている方が、どのくらいのレベルなのか」という観点から音大のレベルを知りたいのなら…

これまでの話を踏まえ、「現在、大学を卒業され活躍なさっている方が、どのくらいのレベルの人なのか」という観点から音大のレベルを知りたいということでありますと、
卒業後の研鑽も個人差の大きい分野ですので、学校名だけで判断することはむつかしい面もあることをお感じいただけたのではないでしょうか。

しかし、そのような前提のなかで、「現在、大学を卒業され活躍なさっている方が、どのくらいのレベルの人なのか」という場合、筆者の場合は、1、どのような方に師事をし、2、どのような経験があるか(どのようなコンクールに挑戦し、どのような活動をなさっているか)在籍した学校(東京藝大や桐朋、もしくは各大学の演奏家コースやヴィルトゥオーゾ科などの学生なのか)、
ということが過去のひとつの指標とはできます。が、音楽の捉えかたも各人ですし、活躍なさる方は、早くご活躍されたり、また、人が評価するものでもありますので、一概には申し上げられません。

ですので、現在、その方が何を考えどこを目指し、いまどうしているかであるかという点を加味して考えます。卒業後の自己研鑽は本当に各人で異なると感じるからです。(ですので、演奏を聴けることや、聴いて判断できる自身を育てることが一番かとは思います…)

7、これから自身がどの音大へいこうかと、各音大のレベルがどのくらいなのかを知りたい方へのひとつの視点

生徒が音大で音楽をと希望し、学校を選ぶ際には、これまでに述べてきたことと合わせ、その希望する生徒の良さと、校風(環境)なども重要視し、卒業後の進路も参考にしますが、
将来像をしっかり描き、自身はどこを目指したいかということも、進学を考えている生徒たちには指導します。生活していくということも念頭に、自立するまでに、どの程度の援助をうけられる環境にいるのかということも、非常に大きなことになります。
また、実際にその学校の卒業演奏会や学園祭、講習会、図書館等にいって、環境を肌で感じてみること、在学生の生活スタイルを知ることも大変重要なことであると考えています。

楽器にもよりますが、ピアノ専攻のかたですと、一日に何時間も弾くことはごく普通のことですし、オーディオや演奏会など、ずっと音楽にひたりっきりです。(学校によって、レベルによって、その没入度合は様々です)

また、学校や先生による派閥のようなものがある部分もまだまだある世界だと感じる一方で、そのようなことは関係なく分け隔てなくご指導なさっている先生もいらっしゃいます。

この大学はどのくらいのレベルなのだろうか、と考えるときに、
大学でご指導くださる先生方のご活躍を拝見することも、レベル判断のひとつの参考にはなるかと思います。また、在学中に留学なさっているケースは、優秀なかたである場合が多いですが、それ以外の方がそうではない、ということではありません。また、優秀な成績がとれること=芸術として面白い、と言い切れないところも面白いところです。

一番よいのは、つながりがまだない場合には、その学校の先生のレッスンを受けて率直にお尋ねすることであると思います。音楽の世界は、ある程度のレベルまでいくと、世界への道(世界で学ぶための道)は、拓かれているように思います。

8、そのほかの留意点

音楽の道(ここでは主にクラシックの視点から語っていますが)を突き詰めていこうとすると、本当にあらゆる資質・知識・センス・体力・語学力・視点・自ら切り拓いていこうとする力など、様々なことを要求されます。
また、運も重要な要素のひとつであると感じます。

日本の演奏会プロフィールは、とにかくたくさん書けば…という傾向も感じないわけではないですが、
あまり大学名やコンクール入賞歴、先入観などに左右されすぎず、
純粋に音楽から、受けとっていただけたらうれしいと、音楽といっしょに生きてきた端くれとして思うことはあります。また、写真の撮り方ひとつも、すこしずつ変わってきましたが、演奏会のチラシなども、様々なパターンが生まれてくるともっと盛り上がっていくのかな、と思います。

あとがき

音大のレベル、というものは、参考になる部分はあっても、
その時点での、ひとつのものさしにすぎない、と、感じていただけましたら幸いです。

音楽をやっている者同士は、街中を歩いていても、気が付いたり、専攻も(ピアノをやっているのか、弦楽器なのか、管楽器なのか、作曲科なのか、等まで)たいていの場合、わかります。

また、学生も先生も、独特の価値観や世界観をお持ちで、大学生の時点で、ユニークな方が多いらしいのが、音楽の世界ですね。(「らしい」とは、ほかの世界を知るようになって思いました)
それらを認め合っていることも多いです。

「音大」「レベル」に関しまして、新しい視点を得ていただけて、皆様の見かたのひとつとして、ご活用いただけましたら幸いです。